とんかつの名づけ親「王ろじ」
今週はずぅ~っと“旅のひと”です。
今日は、新宿は伊勢丹百貨店立体駐車場近くにある“王ろじ”というとんかつ屋で夕飯を食べました。(写真は、おとなの週末という雑誌の表紙を飾ったときのものです。写真のメニューはとん丼です。雑誌の表紙は著作権フリーらしいので掲載しました。)
ここは、とんかつの老舗というか、「とんかつ」というメニューの名前を発明したといわれる店です。大正10年(1921年)に、王ろじ 初代店主が豚肉の揚げ物を「とんかつ」と呼んだのが日本の「とんかつ」文化の始まりといわれているんです。ちなみに、この“王ろじ”という店名の由来は、“路地の王様”というところから来ているそうです。(写真にある紙ナプキンに書いてある、新宿三越前というのが歴史を感じますね。伊勢丹が新宿に本店をオープンしたのが1993年ですからそれよりも前からやっているって言うわけです。)
このお店は、カウンター4席とテーブル18席のこじんまりした店です。セミオープンキッチンスタイルで夜は9時まで営業しています。
今日は、こちらの定番メニュー“とんかつセット”(1650円)を頂くことにしました。“とん丼”(カツカレー・950円)も捨てがたかったのですが、初心者ですし、まずは王道にチャレンジです。
“とんかつセット”は、とんかつ・ライス・とん汁(王ろじ風)・王ろじ漬で構成されていました。まずは、お茶と一緒に王ろじ漬が出てきます。この漬物、大根・ピーマン・ニンジンの浅漬けが冷たい味噌汁に浸した状態で小皿に入っていました。うーん。なかなかユニークな感じです。
しばらくしてから、アルミ皿に盛り付けたとんかつ(キャベツ付)ととん汁とライスが出てきました。とんかつは、直径5cmくらいの棒状で食べやすいように切り分けてあります。脂身が殆ど無く、こんなに太いのに衣はカリッと中は柔らかく肉汁がジワッと出てくるコントラストがハッキリしているとんかつでした。今までに食べたことが無い形状のとんかつですが、あとから店の人に聞いたら「ロース肉の脂身を取り除いてからよくたたいてロール上に巻いてある」んだそうです。ロール上に巻くといってもペラペラの薄い肉ということではなく、半分折くらいでしたから結構厚めにカットした肉なんだと思います。これに掛けるソースもスライスしたオニオンをかなり時間をかけてソテーしてベースソースにあとから入れているようで、甘味が強く食べやすい味でした。
とん汁(王ろじ風)もインパクトがありました。ペイザン切り(1センチ角位のカット)をした玉ねぎと刻んだベーコンを焦げ目が黒く付くほどにソテーした物を味噌汁の具として入れてあったんです。黒く焦げた玉ねぎが浮かんでいるとん汁を見て、一瞬引いてしまいましたが、とんかつを食べながら食すと、このとん汁の訳が解ったような気がしました。
84年も前から、とんかつを作り続けている老舗中の老舗“王ろじ”。独特のメニューです。(豚肉は、とにかくロースしか使わないらしいです。)出してくれるメニューが全て“わけ有りのこだわり”があって、面白く、勉強になりました。
次回は、とん丼にチャレンジしたいと思います。
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